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解雇理由を裁判で追加主張できる?

ご質問

当社には、問題社員AとBがおりました。Aは、職務遂行能力が著しく低く、何度注意しても改善がみられなかったため、普通解雇と致しました。Aにはその他にも勤怠不良で協調性に欠けるといったところがあったのですが、特に能力不足である点が際立っていたため、Aには、能力不足を理由とする解雇理由証明書を発行致しました。他方で、Bは、女性問題が多く、取引先の女性を酔わせてホテルに連れ込み、不適切な行為を行ったとのことで、女性より準強姦行為をされたとして取引先会社を通じてクレームが入りました。Bは合意の下でそのような経緯となったと弁解しております。当社の調査では、確かにBは取引先の女性とホテルに入ったとの目撃証言を得ましたが、他方で、Bも女性も特にひどく酔っている様子はなく、腕を組みながら仲良く歩いていたとの目撃証言も得ました。当社としては、女性の言い分が正しいのか、Bの言い分が正しいのか、判然としなかったものの、Bは過去にも女性問題が多く、同僚の女性と不倫関係を持つなど何かとトラブルの絶えない者であったことに鑑み、Bを懲戒解雇処分としました。
すると、A及びBは弁護士を立てて上記解雇が無効であるとして、地位確認等の労働審判を申し立ててきました。
当社としては、Aとの関係で、解雇理由証明書に書いていなかった勤怠不良や協調性不足の点を、裁判で解雇理由として追加主張することは可能でしょうか?また、Bとの関係で、懲戒解雇と同時に普通解雇も行っていたと主張し、併せてBの過去のトラブルも解雇理由として追加主張することは可能でしょうか?

回答

普通解雇を行ったAとの関係では、解雇理由を事後的に裁判の場で追加主張することは可能であると解されます。もっとも、裁判官によっては、追加主張した解雇理由は、少なくとも解雇当時会社が重視していなかったと認定され、追加した解雇理由だけで解雇を正当化することは一般的には難しいと思われます。
懲戒解雇を行ったBとの関係では、会社側が懲戒当時認識していなかった非違行為は、特段の事情のない限り、事後的に裁判で追加主張することは出来ません。また、労働契約の債務不履行を理由とする普通解雇と企業秩序違反に対する一種の制裁罰である懲戒解雇は性質が異なるため、基本的には、懲戒解雇として言い渡した以上、それを事後的普通解雇の意思表示も含むと主張することは難しいと考えた方がよいでしょう。

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  • 普通解雇の場合、解雇の際に告げていなかった理由を、事後的に裁判で追加主張することは可能である。もっとも、後出しの感は否めず、裁判官は解雇理由として重要視してくれないと考えた方がよい。
  • 懲戒解雇の場合、解雇当時、会社で把握していなかった事実を事後的に裁判で追加主張することはできない。
  • 懲戒解雇を普通解雇に流用することは出来ないと考えるべき。懲戒解雇の有効性に自信がない場合は、予備的に普通解雇を併せて行った方が無難である。

解説

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対応方法

1 まずは弁護士に相談!

問題のある社員に辞めてもらうために貴社が採れる手段は,ケースバイケースですが,退職勧奨,普通解雇,懲戒処分などが挙げられます。もっとも,従業員にとっても生活の糧となる収入が途絶えることになりますので,安易な措置はトラブルを生み,かえって貴社に混乱とコストの負担をかけることにもなりかねません。
まずは,なるべく早くご相談下さい。相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いものです。
弁護士は,あなたのご事情を伺い,具体的対応策をあなたと一緒に検討し,最善の解決策をアドバイスします。
貴社のケースでは解雇は有効になるのか否か,具体的な対策として打つべき手は何か,証拠として押さえておくべきものは何か等をアドバイスします。

2 証拠の収集

法的措置に対応する場合はもちろん,交渉による解決を目指す場合も,証拠の確保が極めて重要になります。貴社にとって有利な証拠を出来るだけ確保して下さい。

3 労働者との交渉

まずは,法的措置に進む前に,労働者と交渉して,貴社の望む結果(問題社員の退職,解雇,低額の解決金の支払い等より有利な条件での退職等)が得られるようにします。 裁判に訴えられる前の交渉の時点で解決できれば,貴社にとっても次のようなメリットがあります。

①早期に解決できることにより,人的負担が回避できる。

法的手続に進んだ場合,労働者に関係する従業員(同僚・上司)はもちろん,経営者にも時間・労力・精神的負担を割くことを要求されます。この負担が日常業務に加わることで,かなりの負担感となります。交渉で解決することによりかかる人的負担が早期に回避できます。

②労働審判・訴訟等の法的手続に進んだ場合より解決金の水準が低い

一般に法的手続に進む場合に比べ,企業が支払う解決金の金額は低いものとなります。

4 裁判対応

労働者との間で交渉による解決が図れない場合は,労働者は自己の権利の実現を求めて裁判を起こす可能性が高いと言えます。具体的には,賃金仮払い仮処分手続,労働審判手続,訴訟手続などがありますが,労働者が事案に応じて手続を選択して,自己の請求の実現を目指すことになります。貴社としては,かかる労働者の法的請求に適切に対応する必要があります。

労働問題.comの対応

1 経験豊富な弁護士に相談

労働問題は適用される法律が難解で事実関係が極めて複雑であり,また,貴社が採るべき対応策はケースバイケースで決めざるを得ません。貴社独自で調査の上でのご対応が,時に誤った方法であることも多分にございます。
そこで,まず,労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士にご相談下さい。ご相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いのが実際ですので,トラブルが少しでも生じましたら出来るだけ早期にご相談されることをお勧めいたします。
労働問題.COMでは,常に労働問題を専門的に取り扱う経験豊富な弁護士が直接対応させていただいております(原則的に代表弁護士である吉村が対応させて頂きます。)。裁判のリスクを踏まえながら,法律上の問題点を指摘しつつも,抽象的な法律論に終始することなく,貴社が採るべき具体的な対応策を助言いたします。早期のご相談により紛争を未然に防止することが出来た事例が多数ございます。また、その後の交渉・裁判対応においても有利な対応を取ることが出来ます。

2 継続的なご相談・コンサルティング

労使間のトラブルは一時的なものではなく,長期化することがしばしばあります。ケースバイケースに採るべき対応策や確保すべき証拠も異なりますし,時々刻々と状況が変わっていき,その都度適切な対応をとることが必要です。この対応が間違っていた為に,その後の交渉や法的措置の段階で不利な状況に立たされることもままあります。
労働問題.COMでは,経験豊富な弁護士が,継続的なご相談を受けコンサルティングを行います。初期の段階より貴社にとって有利な対応をアドバイスしていきます。それにより,その後の交渉・法的措置にとって有利な証拠を確保でき,適切な対応をとることで,万全の準備が出来ます。また,継続的に相談が出来ることにより安心して他の日常業務に専念していただくことができます。

3 貴社を代理して労働者(弁護士,労働組合)と交渉いたします。

労働者の対応は様々ですが,貴社へ要求を認めさせるために,様々な働きかけをする事が多いのが実情です。労働者が弁護士や労働組合を介して,会社に対し各種の請求を行い,交渉を求めることはよくあることです。弁護士や労働組合はこの種事案の交渉のプロですので,貴社独自で臨むことで,あらぬ言質や証拠をとられ,本来了承する必要のない要求まで認めさせられることもしばしばです。貴社独自でのご対応は,一般的には困難であることが多いといえます。
そこで,労働問題.COMでは,労使間の交渉対応に精通した弁護士が,貴社に代わって交渉の対応を致します。具体的には,貴社担当者から詳細なヒアリングを実施し,証拠の収集等の準備を行った上で,弁護士が法的根拠に基づいた通知書を出し,適切に交渉することで,貴社にとって有利な結論を,裁判を経ずに勝ち取ることも可能となります。

4 裁判対応

労働者が労働審判,仮処分,訴訟などの裁判を起こしてくる場合が近時急増しています。かかる裁判への対応は法律で訴訟代理権を独占する弁護士のみが対応することができます。 但し,労働問題を適切に対応することができるのは労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士に他なりませんが,労働問題は極めて特殊専門領域であるため,経験実績がない又は乏しい弁護士が殆どである実情があります。
労働問題.COMでは,労働事件を専門分野とし,裁判対応の豊富な経験実績を有する弁護士が常時対応させていただいております。貴社に対し,最善の弁護活動をお約束いたします。

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