TEL:0120-3131-45

労働問題の取扱分野の一覧 労働審等

弁護士による労働問題Q&A

所長・弁護士紹介 顧問契約 労働問題 キャンペーン 労働問題トラブル診断シート 依頼者の声 労働問題 労働審判 弁護士

吉村労働再生法律事務所

労働問題に強い弁護士所在地
〒101-0053
東京都千代田区神田美土代町11-12
ニチヨビル6F
受付時間

平日・土曜 9:30~21:00
日曜・祝日 ご要望により対応可能
24時間無料法律相談予約受付

電話番号

TEL 0120-3131-45
FAX 03-3518-6059

解雇回避努力義務とは?

ご質問

当社は金属製品製造加工業を業とする会社ですが、昨今の不況を受けて、資材高騰、受注量の減少、受注単価の下落などを受け、大幅に利益が減少し、業績も3期連続で赤字が続いています。工場における作業も当然減少しており、余剰人員が生じております。そこで、整理解雇により余剰人員削減を行いたいと考えておりますが、可能でしょうか?なお、当社で行った人件費削減策としては、残業規制は既に実施しましたが、一時帰休,賃金の切り下げ,配置転換などの方法は行っておりません。

回答

整理解雇は,業績不振・業務縮小など経営者側の事情に基づく事由によるものであり,労働者に責任のない事由により労働者を失職させることになりますので,出来うる限り整理解雇は避けなければならないとされています。従って,整理解雇に際し,希望退職者の募集,労働時間の短縮,一時帰休,配転等なしうる解雇回避努力の検討を行っていないような場合には,裁判例では,解雇回避義務が尽くされたとは認められない傾向にあります。
ご相談のケースでは,残業規制は既に実施されていましたが,一時帰休,賃金の切り下げ,配置転換などの解雇回避のための他に取り得る手段の検討は一切なされていないとのことですので,解雇回避努力義務が尽くされたとは言えない可能性が高いと言えます。よって,整理解雇も無効となる可能性が高いと言えます。

24時間無料法律相談受付 TEL:0120-3131-45

  • 解雇回避努力義務は,企業の経営状況,企業規模,従業員構成などを踏まえて個別具体的に判断される。
  • 希望退職者の募集,労働時間の短縮,一時帰休,配転等なしうる解雇回避努力の検討が一般的に必要とされるが、具体的事情によっては、必ずしも上記措置を実施せずとも、整理解雇が有効となる場合もある。

解説

1 解雇回避努力義務について

整理解雇は,業績不振・業務縮小など経営者側の事情に基づく事由によるものであり,労働者に責任のない事由により労働者を失職させることになりますので,出来うる限り整理解雇は避けるようにすべきと言えます。
従って,整理解雇に際し,希望退職者の募集,労働時間の短縮,一時帰休,配転等なしうる解雇回避努力の検討を行っていないような場合には,裁判例では,解雇回避義務が尽くされたとは認められない傾向にあります。

九州日誠電気事件 熊本地決平成14.8.30 労判840.92
八潮工業事件 松山地裁西条支判平成14.1.25 労判823.82
乙山鉄工事件 前橋地判平成14.3.15 労判842.83
日欧産業センター事件 東京地判平成15.10.31 労経速 1866.3

2 希望退職者の募集,労働時間の短縮,一時帰休,配転等は絶対必要か?

ただ,解雇回避努力義務は,当該具体的事情のもとにおいて,状況に応じて解雇回避の努力をなす義務ですので,企業の経営状況,企業規模,従業員構成などを踏まえて個別具体的に判断されます。上記のような一般的な解雇回避策といわれるものが採られていなくとも,整理解雇が必ずしも無効となるものではありません。
例えば,タクシーの無線部門の廃止に伴う人員整理に関して,「原告は,運転免許証がないから他の職員のように乗務員として配置転換することはできないし,被告ないしその組合員であるタクシー会社の事務員の勤務内容や勤務状況に照らせば,原告を配置転換すべき事務職を見出すことはできず,原告の家庭状況も考慮した上,原告を解雇するとした被告の判断が不当・不合理であるとは言い難い(被告の経営状況は,原告の雇用を継続するだけの余裕がある(原告を解雇しなければ被告の倒産が必至であるものではない)とは認められるが,だからと言って,配置転換(ないし出向)すべき適当な職種がないにもかかわらず,余剰になった人員の雇用をなお継続することを法的に強制・要求することはできない,また,無線センター部門の6名の人員整理であるから,一時帰休や希望退職の募集の手段をとらなかったことをもって,解雇回避の努力を尽くしてないと評価することもできない)。」とされた(北海道交運事業協同組合事件 札幌地判平成12.4.25 労判805.123)。
また,長年にわたり生麺の製造業務に従事してきた従業員に対し,工場閉鎖に伴い,配転や出向,転籍を提案することなく整理解雇した事案において,「債権者らの通勤の負担が少ないと考えられる職場としては,債務者の本社,品川区,大田区所在の冷蔵庫,川崎近郊の関係会社が考えられるが,債権者の本社や冷蔵庫において受入れ可能な業務は,研究開発業務とパソコンの入力作業を要する事務職のみであった」「長年にわたり生麺等の製造業務のみに従事してきた債権者らの経験,能力等に照らすと,債務者が,債権者らに対し,このような業務を前提とする本社,冷蔵庫への転勤を提案することは著しく困難であったといわざるを得ない」「仮に本件解雇に先立ち出向を検討したとしても,川崎近郊の関係会社内に債権者らの受入先はなかったであろうことが強く推認される」「債務者が,債権者らに対し,相模工場以外への転勤,関係会社への出向,転籍を提案する現実的な可能性はなかったものというべきであるから,上記のような債務者の対応が,解雇回避の努力を欠き,不当とまでいうことはできない。」とした(東洋水産川崎工場事件 横浜地裁川崎支判平成14.12.27 労判847.58)。

対応方法

1 まずは弁護士に相談!

人員削減を行うために貴社が採れる手段は,ケースバイケースですが,希望退職者募集,退職勧奨,整理解雇などが挙げられます。もっとも,従業員にとっても生活の糧となる収入が途絶えることになりますので,安易な措置はトラブルを生み,かえって貴社に混乱とコストの負担をかけることにもなりかねません。
まずは,なるべく早くご相談下さい。相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いものです。
弁護士は,あなたのご事情を伺い,具体的対応策をあなたと一緒に検討し,最善の解決策をアドバイスします。
貴社のケースでは解雇は有効になるのか否か,具体的な対策として打つべき手は何か,証拠として押さえておくべきものは何か等をアドバイスします。

2 証拠の収集

法的措置に対応する場合はもちろん,交渉による解決を目指す場合も,証拠の確保が極めて重要になります。貴社にとって有利な証拠を出来るだけ確保して下さい。

3 労働者との交渉

まずは,法的措置に進む前に,労働者と交渉して,貴社の望む結果(問題社員の退職,解雇,低額の解決金の支払い等より有利な条件での退職等)が得られるようにします。 裁判に訴えられる前の交渉の時点で解決できれば,貴社にとっても次のようなメリットがあります。

①早期に解決できることにより,人的負担が回避できる。

法的手続に進んだ場合,労働者に関係する従業員(同僚・上司)はもちろん,経営者にも時間・労力・精神的負担を割くことを要求されます。この負担が日常業務に加わることで,かなりの負担感となります。交渉で解決することによりかかる人的負担が早期に回避できます。

②労働審判・訴訟等の法的手続に進んだ場合より解決金の水準が低い

一般に法的手続に進む場合に比べ,企業が支払う解決金の金額は低いものとなります。

4 裁判対応

労働者との間で交渉による解決が図れない場合は,労働者は自己の権利の実現を求めて裁判を起こす可能性が高いと言えます。具体的には,賃金仮払い仮処分手続,労働審判手続,訴訟手続などがありますが,労働者が事案に応じて手続を選択して,自己の請求の実現を目指すことになります。貴社としては,かかる労働者の法的請求に適切に対応する必要があります。

労働問題.comの対応

1 経験豊富な弁護士に相談

労働問題は適用される法律が難解で事実関係が極めて複雑であり,また,貴社が採るべき対応策はケースバイケースで決めざるを得ません。貴社独自で調査の上でのご対応が,時に誤った方法であることも多分にございます。
そこで,まず,労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士にご相談下さい。ご相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いのが実際ですので,トラブルが少しでも生じましたら出来るだけ早期にご相談されることをお勧めいたします。
労働問題.COMでは,常に労働問題を専門的に取り扱う経験豊富な弁護士が直接対応させていただいております(原則的に代表弁護士である吉村が対応させて頂きます。)。裁判のリスクを踏まえながら,法律上の問題点を指摘しつつも,抽象的な法律論に終始することなく,貴社が採るべき具体的な対応策を助言いたします。早期のご相談により紛争を未然に防止することが出来た事例が多数ございます。また、その後の交渉・裁判対応においても有利な対応を取ることが出来ます。

2 継続的なご相談・コンサルティング

労使間のトラブルは一時的なものではなく,長期化することがしばしばあります。ケースバイケースに採るべき対応策や確保すべき証拠も異なりますし,時々刻々と状況が変わっていき,その都度適切な対応をとることが必要です。この対応が間違っていた為に,その後の交渉や法的措置の段階で不利な状況に立たされることもままあります。
労働問題.COMでは,経験豊富な弁護士が,継続的なご相談を受けコンサルティングを行います。初期の段階より貴社にとって有利な対応をアドバイスしていきます。それにより,その後の交渉・法的措置にとって有利な証拠を確保でき,適切な対応をとることで,万全の準備が出来ます。また,継続的に相談が出来ることにより安心して他の日常業務に専念していただくことができます。

3 貴社を代理して労働者(弁護士,労働組合)と交渉いたします。

労働者の対応は様々ですが,貴社へ要求を認めさせるために,様々な働きかけをする事が多いのが実情です。労働者が弁護士や労働組合を介して,会社に対し各種の請求を行い,交渉を求めることはよくあることです。弁護士や労働組合はこの種事案の交渉のプロですので,貴社独自で臨むことで,あらぬ言質や証拠をとられ,本来了承する必要のない要求まで認めさせられることもしばしばです。貴社独自でのご対応は,一般的には困難であることが多いといえます。
そこで,労働問題.COMでは,労使間の交渉対応に精通した弁護士が,貴社に代わって交渉の対応を致します。具体的には,貴社担当者から詳細なヒアリングを実施し,証拠の収集等の準備を行った上で,弁護士が法的根拠に基づいた通知書を出し,適切に交渉することで,貴社にとって有利な結論を,裁判を経ずに勝ち取ることも可能となります。

4 裁判対応

労働者が労働審判,仮処分,訴訟などの裁判を起こしてくる場合が近時急増しています。かかる裁判への対応は法律で訴訟代理権を独占する弁護士のみが対応することができます。 但し,労働問題を適切に対応することができるのは労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士に他なりませんが,労働問題は極めて特殊専門領域であるため,経験実績がない又は乏しい弁護士が殆どである実情があります。
労働問題.COMでは,労働事件を専門分野とし,裁判対応の豊富な経験実績を有する弁護士が常時対応させていただいております。貴社に対し,最善の弁護活動をお約束いたします。

弁護士費用はこちら

参考裁判例

ホクエツ福井事件 

名古屋高等裁判所金沢支部判決 平成18年5月31日 労働判例920号33頁

土木工事用コンクリート二次製品を製造・販売する会社Yが,経営不振による余剰人員削減を目的として,当時,組合の執行委員長であったXを整理解雇した。約60名の従業員に対し,2週間の希望退職募集を行った後,予定した人員削減数8名に僅か2名足りず,X対し整理解雇を通告した。労働組合は会社に対し,人員削減の根拠となる経営状態を明らかにするよう求め団体交渉をし,さらに団体交渉を継続することを約束したにもかかわらず、翌日Xに対し整理解雇を通告した。整理解雇が僅か2名であったこと,更に1名は元組合員,もう1名は組合委員長であったということから,不当労働行為としての解雇が疑われ,労働契約上の地位の確認、賃金の支払い及び損害賠償を請求した事案である。

本件解雇において,解雇対象者の人選として過去の昇給査定ランク・規律違反率を基準としたことには合理性が認められたが,人員削減の必要性の有無,解雇回避措置として行った希望退職者募集の有効性,においては認められず,加えて,X及びXが属する労働組合との協議に誠実だったとはいえない。以上のことから,本件解雇は解雇権の濫用として解雇無効となった。

横浜商銀信用組合事件 

横浜地方裁判所判決 平成19年5月17日 労働判例945号59頁

信用組合Yは経経営不振を理由に,副支店長の地位にあった職員2名Xらに整理解雇を通告した。Xらは労働組合を通し団体交渉を申し入れたが,信用組合Yがこれを拒否した。このことが不当労働行為に当たるとして申立て,整理解雇を無効として地位確認及び解雇後の未払賃金等の支払を求めた事案である。

本件解雇において,新規採用の抑制や希望退職の募集,整理解雇を回避するための降格の打診をしないなど解雇回避措置が十分ではなかった。加えて,人選の合理性についても,年齢・職位・考課という要素を考慮するという人選基準がどのように適用されたかが明らかでなく,解雇直前に従業員に対し抽象的な説明を行うなど,解雇手続の妥当性を欠いていた。これらのことから、本件解雇は解雇権の濫用として解雇無効を認めた(ただし、判決が確定した後に弁済期が到来する賃金等の支払は、訴えの利益を欠くとして却下)。

 

24時間無料法律相談受付 TEL:0120-3131-45

ご挨拶 / 弁護士紹介 / 安心の費用 / 地図・アクセス / 無料法律相談 / 法律相談の流れ / よくある質問 / 依頼者の声 / お問い合わせ