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雇い止めが許されない場合とは?

ご質問

雇い止めには解雇法理が類推適用され、一定の場合許されないと聞きました。そもそも雇い止めはどの様な場合に認められるのですか?その基準はあるのでしょうか?

回答

有期雇用契約であっても、客観的に一時的・季節的な仕事ではなく,更新が繰り返されてきたような場合は,解雇に関する法理が類推適用されることがあります。このように,類推適用される場合は,通常の解雇の場合と同様に解雇権濫用法理(労働契約法16条)などの規制を受け,雇い止めが有効か否かが決められます。
その類推適用をするか否かについて法律上基準はありませんが,裁判例の積み重ねにより一定の基準を読み取ることは可能です。具体的には,(1)有期契約が実質において期間の定めのない契約と異ならない状態で存続する場合や,(2)有期契約の更新に対する合理的な期待がある場合に,類推適用されると言われています。そして,(1),(2)のように類推適用されるか否かは,①仕事の内容が臨時的・補助的か,基幹的か,②更新の回数,③雇用の通算期間,④更新手続が形式的であったりずさんであるなど契約期間管理の状況,⑤雇用継続の期待を持たせる言動や制度の有無,⑥労働者の継続雇用に対する期待などを総合考慮して決められます。

  • 雇い止めにも解雇権乱用法理が類推適用されることがある。
  • ①業務内容が臨時的・補助的か,基幹的か,②更新の回数,③雇用の通算期間,④更新手続が形式的であったりずさんであるなど契約期間管理の状況,⑤雇用継続の期待を持たせる言動や制度の有無,⑥労働者の継続雇用に対する期待などを総合考慮して決められる。

解説

1.労働契約の期間についての法的な規制について

労働基準法14条によれば、契約期間を定める場合、その上限は原則として「3年」とされています。この上限規制は、更新後の契約にも及びます。
そして、この上限を超えた期間を定めた契約は、制限期間の上限の期間(3年)を定めたものとみなされ、また、その上限期間を超えて労働関係が継続された場合は、黙示の更新により期間の定めのない契約となると解されています。
なお、労働契約法4条2項によれば、契約期間の更新の有無、更新の判断基準などは、使用者と労働者ができる限り書面で確認すべきこととされています。

2.雇い止めに対する法的な規制はあるか?

「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(H20.1.23厚労告第12号)」には、契約を3回以上更新し、または、雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者については、少なくとも契約期間の満了する30日前までに雇い止めの予告をしなければならない旨、規定されています。
また、労働契約法17条2項は、不必要に短期の有期労働契約の反復とならないよう配慮すべき義務を定めています。この規定の趣旨は、使用者に対し当初から必要な期間を定めるように配慮することを求めることで、契約期間の長期化を促し、雇い止めをめぐる紛争の原因である契約更新そのものを減少させることにあります。

3.雇い止めは、どのような場合に無効となるか?

長期にわたり更新が繰り返されてきたケースや、更新に対する合理的な期待があるケースなどでは、通常の解雇の場合における解雇権濫用法理(労働契約法16条)が類推適用され、雇い止めが有効となるためには、解雇と同様の厳格な要件が必要とされています。過去の裁判例によれば、次のような条件があれば、雇い止めの有効性は、解雇と同様に厳しく判断されることになります。
(1) 仕事の内容が正社員と異ならない
(2) 更新の回数が多い
(3) 雇用の通算期間が長い
(4) 更新手続が形式的であったり、ずさんであること(契約書を作らなかったり、事後的に契約書を作ったりするような場合など)
(5) 雇用継続の期待をもたせるような言動があったこと(例えば、採用時に使用者が更新を期待させる発言をしたような場合など)
(6) 継続雇用を期待することに相当性があること(例えば、他の有期労働者が長年更新を繰り返して雇用されている場合など)

対応方法

1 まずは弁護士に相談!

雇い止めを行うために貴社が採れる手段は,ケースバイケースに存在します。もっとも,従業員にとっても生活の糧となる収入が途絶えることになりますので,安易な措置はトラブルを生み,かえって貴社に混乱とコストの負担をかけることにもなりかねません。
まずは,なるべく早くご相談下さい。相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いものです。
弁護士は,あなたのご事情を伺い,具体的対応策をあなたと一緒に検討し,最善の解決策をアドバイスします。
貴社のケースでは解雇は有効になるのか否か,具体的な対策として打つべき手は何か,証拠として押さえておくべきものは何か等をアドバイスします。

2 証拠の収集

法的措置に対応する場合はもちろん,交渉による解決を目指す場合も,証拠の確保が極めて重要になります。貴社にとって有利な証拠を出来るだけ確保して下さい。

3 労働者との交渉

まずは,法的措置に進む前に,労働者と交渉して,貴社の望む結果(問題社員の退職,解雇,低額の解決金の支払い等より有利な条件での退職等)が得られるようにします。 裁判に訴えられる前の交渉の時点で解決できれば,貴社にとっても次のようなメリットがあります。

①早期に解決できることにより,人的負担が回避できる。

法的手続に進んだ場合,労働者に関係する従業員(同僚・上司)はもちろん,経営者にも時間・労力・精神的負担を割くことを要求されます。この負担が日常業務に加わることで,かなりの負担感となります。交渉で解決することによりかかる人的負担が早期に回避できます。

②労働審判・訴訟等の法的手続に進んだ場合より解決金の水準が低い

一般に法的手続に進む場合に比べ,企業が支払う解決金の金額は低いものとなります。

4 裁判対応

労働者との間で交渉による解決が図れない場合は,労働者は自己の権利の実現を求めて裁判を起こす可能性が高いと言えます。具体的には,賃金仮払い仮処分手続,労働審判手続,訴訟手続などがありますが,労働者が事案に応じて手続を選択して,自己の請求の実現を目指すことになります。貴社としては,かかる労働者の法的請求に適切に対応する必要があります。

労働問題.comの対応

1 経験豊富な弁護士に相談

労働問題は適用される法律が難解で事実関係が極めて複雑であり,また,貴社が採るべき対応策はケースバイケースで決めざるを得ません。貴社独自で調査の上でのご対応が,時に誤った方法であることも多分にございます。
そこで,まず,労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士にご相談下さい。ご相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いのが実際ですので,トラブルが少しでも生じましたら出来るだけ早期にご相談されることをお勧めいたします。
労働問題.COMでは,常に労働問題を専門的に取り扱う経験豊富な弁護士が直接対応させていただいております(原則的に代表弁護士である吉村が対応させて頂きます。)。裁判のリスクを踏まえながら,法律上の問題点を指摘しつつも,抽象的な法律論に終始することなく,貴社が採るべき具体的な対応策を助言いたします。早期のご相談により紛争を未然に防止することが出来た事例が多数ございます。また、その後の交渉・裁判対応においても有利な対応を取ることが出来ます。

2 継続的なご相談・コンサルティング

労使間のトラブルは一時的なものではなく,長期化することがしばしばあります。ケースバイケースに採るべき対応策や確保すべき証拠も異なりますし,時々刻々と状況が変わっていき,その都度適切な対応をとることが必要です。この対応が間違っていた為に,その後の交渉や法的措置の段階で不利な状況に立たされることもままあります。
労働問題.COMでは,経験豊富な弁護士が,継続的なご相談を受けコンサルティングを行います。初期の段階より貴社にとって有利な対応をアドバイスしていきます。それにより,その後の交渉・法的措置にとって有利な証拠を確保でき,適切な対応をとることで,万全の準備が出来ます。また,継続的に相談が出来ることにより安心して他の日常業務に専念していただくことができます。

3 貴社を代理して労働者(弁護士,労働組合)と交渉いたします。

労働者の対応は様々ですが,貴社へ要求を認めさせるために,様々な働きかけをする事が多いのが実情です。労働者が弁護士や労働組合を介して,会社に対し各種の請求を行い,交渉を求めることはよくあることです。弁護士や労働組合はこの種事案の交渉のプロですので,貴社独自で臨むことで,あらぬ言質や証拠をとられ,本来了承する必要のない要求まで認めさせられることもしばしばです。貴社独自でのご対応は,一般的には困難であることが多いといえます。
そこで,労働問題.COMでは,労使間の交渉対応に精通した弁護士が,貴社に代わって交渉の対応を致します。具体的には,貴社担当者から詳細なヒアリングを実施し,証拠の収集等の準備を行った上で,弁護士が法的根拠に基づいた通知書を出し,適切に交渉することで,貴社にとって有利な結論を,裁判を経ずに勝ち取ることも可能となります。

4 裁判対応

労働者が労働審判,仮処分,訴訟などの裁判を起こしてくる場合が近時急増しています。かかる裁判への対応は法律で訴訟代理権を独占する弁護士のみが対応することができます。 但し,労働問題を適切に対応することができるのは労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士に他なりませんが,労働問題は極めて特殊専門領域であるため,経験実績がない又は乏しい弁護士が殆どである実情があります。
労働問題.COMでは,労働事件を専門分野とし,裁判対応の豊富な経験実績を有する弁護士が常時対応させていただいております。貴社に対し,最善の弁護活動をお約束いたします。

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参考裁判例

雇い止めが無効と判断された事例

東芝柳町工場事件

最一小判昭和49・7・22民集28巻5 -927

(事案の概要)

Yは,電気機器等の製造販売を目的とする株式会社であるが,その従業員には正規従業員(本工)(昭和37年3月現在49,750名)と臨時従業員(臨時工)の種別があり,後者は,基幹作業に従事する基幹臨時工(同じく19,460名)と附随作業を行うその他の臨時工(同じく1,470名)とに分かれていた。基幹臨時工は,景気の変動による需給にあわせて雇傭量の調整をはかる必要から雇傭されたものであって,その採用基準,給与体系,労働時間,適用される就業規則等においては本工と異なる取扱をされているが,その従事する仕事の種類,内容の点においては本工と差異はなかった。Yにおける基幹臨時工の数は,昭和25年以降漸次増加し,以後昭和37年3月までは必ずしも景気の変動とは関係なく増加の一途をたどり,特に昭和33年から同38年までは毎年相当多数が採用され,総工員数の平均30パーセントを占めていた。そして,基幹臨時工が2カ月の期間満了によって傭止めされた事例は見当らず,自ら希望して退職するものの外,そのほとんどが長期間にわたって継続雇傭されていた。また,Yの臨時従業員親別の年次有給休暇の規定は1年以上の雇僻を予定しており,1年以上継続して雇傭された臨時工は,試験を経て本工に登用することとなっているが,右試験で数回不合格となった者でも,相当数の者が引続き雇傭されていた。
Ⅹらは,いずれも,Yと契約期間を2カ月と記載してある臨時従業員としての労働契約書を取りかわして入社した基幹臨時工であるが,その採用に際しては,Y側に,Ⅹらに長期継続雇用,本工への登用を期待させるような言動があり,Ⅹらも,右期間の定めにかかわらず継続雇傭されるものと信じて前記契約書を取りかわしたのであり,また,本工に登用されることを強く希望していたものであって,その後,YとⅩらとの間の契約は,5回ないし23回にわたって更新を重ねたが,Yは,必ずしも契約期間満了の都度,直ちに新契約締結の手続をとっていなかった。

(裁判所の判断)

「原判決は,以上の事実関係からすれば,本件各労働契約においては,Yとしても景気変動等の原因による労働力の過剰状態を生じないかぎり契約が継続することを予定していたものであって,実質において,当事者双方とも,期間は一応2カ月と定められてはいるが,いずれかから格別の意思表示がなければ当然更新されるべき労働契約を締結する意思であったものと解するのが相当であり,したがって,本件各労働契約は,期間の満了毎に当然更新を重ねてあたかも期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態で存在していたものといわなければならず,本件各傭止めの意思表示は右のような契約を終了させる趣旨のもとにされたのであるから,実質において解雇の意思表示にあたる,とするのであり,また,そうである以上,本件各傭止めの効力の判断にあたっては,その実質にかんがみ,解雇に関する法理を類推すべきであるとするものであることが明らかであって,上記の事実関係のもとにおけるその認定判断は,正当として首肯することができ,その過程に所論の違法はない。」

(コメント)

期間が定められていても、反復して更新され、実質上期間の定めのない契約と異ならない状態に至っている常用的臨時労働者の場合は、雇い止めを行なう際に、正規従業員に対して適用される「解雇権濫用の法理」(社会通念上認められる合理的理由がないと解雇権の濫用となり、解雇が無効となるとする原則)が適用されるとし、「余剰人員の発生等従来の取扱い(契約期間の更新)を変更してもやむを得ないと認められる特別の事情」がなければ雇い止めはできない、と述べています。

雇い止めが有効と判断された事例

日立メディコ事件

最一小判昭和61・12・4労判486-6

(事案の概要)

Ⅹは,昭和45年12月1日から同月20日までの期間を定めてYのA工場に臨時員として雇用され,同月21日以降,期間2カ月の労働契約が5回更新された。A工場の臨時員制度は,景気変動に伴う受注の変動に応じて雇用量の調整を図る目的で設けられたものであり,臨時員の採用にあたっては,各種試験を行わず,面接において健康状態,経歴等を尋ねるのみで採用を決定するという筒易な方法をとっていた。Yが昭和45年8月から12月までの間に採用したA工場の臨時貝90名のうち,翌46年10月20日まで雇用関係が継続した者は,本工採用者を除けば,Ⅹを含む14名であった。A工場においては,臨時員に対し,原則として軽易な作業に従事させる方針をとっており,Ⅹも比較的簡易な作業に従事していた。Yは,臨時員の契約更新にあたっては,更新期間の約1週間前に本人の意思を確認し,当初に作成された労働契約書の「4雇用期間」欄に順次雇用期間を記入し,臨時員の印を押印させていた(もっとも,Xが属する機械組においては,本人の意思が確認されたときは,給料の受領のために預かってある印を庶務係が本人に代わって押印していた。)ものであり,ⅩとYとの間の5回にわたる本件労働契約の更新は,いずれも期間満了の都度新たな契約を締結する旨を合意することによってされてきたものであった。Ⅹは同年10月21日以降,不況を理由に雇止めとされた。

(判決概要)

「事実関係の下においては,...5回にわたる契約の更新によって,...ⅩとYとの間に期間の定めのない労働契約が存在する場合と実質的に異ならない関係が生じたということもできない・・・所論引用の判例(東芝柳町工場事件=最判昭49.7.22)は,事案を異にし,本件に適切でない。」「A工場の臨時貝は,...臨時的作業のために雇用されるものではなく,その雇用関係はある程度の継続が期待されていたものであり,Ⅹとの間においても5回にわたり契約が更新されているのであるから,...雇止めにするに当たっては,解雇に関する法理が類推され,解雇であれば解雇権の濫用,信義則違反又は不当労働行為などに該当して解雇無効とされるような事実関係の下に使用者が新契約を締結しなかったとするならば,期間満了後における使用者と労働者間の法律関係は従前の労働契約が更新されたのと同様の法律関係となるものと解せられる。しかし,右臨時員の雇用関係は比較的簡易な採用手続で締結された短期的有期契約を前提とするものである以上,雇止めの効力を判断すべき基準は,いわゆる終身雇用の期待の下に期間の定めのない労働契約を締結しているいわゆる本工を解雇する場合とはおのずから合理的な差異があるべきである。したがって,...独立採算制がとられているYのA工場において,事業上やむを得ない理由により人員削減をする必要があり,その余剰人員を他の事業部門へ配置転換する余地もなく,臨時員全員の雇止めが必要であると判断される場合には」,「期間の定めなく雇用されている従業員」の「希望退職者の募集に先立ち臨時員の雇止めが行われてもやむを得ないというべきである。」との原判決の判断を引用し,これを正当としてⅩの上告を棄却した。

(コメント)

①本判決は、本件では、前記東芝柳町工場事件のように、期間の定めのない労働契約が存在する場合と実質的に異ならない関係が生じたとはいえないとしたうえで、それでもⅩらは非臨時的な作業のために雇用されていること、雇用関係のある程度の継続が期待されていること、実際に数回の契約が更新されていることを理由に、雇止めについて解雇に関する法理(労契法16条)が類推適用されると述べています。
②この判決により、雇止め制限の法理は、契約更新により雇用の継続に合理的な期待がある場合にも適用されるという理解が広がっていくことになりました(龍神タクシー事件一大阪高判平成3年1月16日労判581号36頁など)。
③また、雇止め制限の法理を適用した結果、雇止めが無効と判断されれば、従前の労働契約が更新されたのと同様の法律関係が生じ、一種の法定更新であると解されます。
④雇止めが経営上の理由による場合には、整理解雇の4要件(要素)が類推適用されることになりますが、有効性の判断は、正社員に対するよりも緩やかに行われることになると示唆しています。
⑤本件では、事例的判断として、解雇回避努力として、正社員に対する希望退職を募集せずに、臨時員に対する雇止めをしたとしても、それは不当・不合理ではないと判断されました。

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