TEL:0120-3131-45

労働問題の取扱分野の一覧 労働審等

弁護士による労働問題Q&A

所長・弁護士紹介 顧問契約 労働問題 キャンペーン 労働問題トラブル診断シート 依頼者の声 労働問題 労働審判 弁護士

吉村労働再生法律事務所

労働問題に強い弁護士所在地
〒101-0053
東京都千代田区神田美土代町11-12
ニチヨビル6F
受付時間

平日・土曜 9:30~21:00
日曜・祝日 ご要望により対応可能
24時間無料法律相談予約受付

電話番号

TEL 0120-3131-45
FAX 03-3518-6059

金品の着服,横領,窃盗をしたことを理由とした懲戒解雇

ご質問

先日,当社の某事務所内で大金が無くなるという事件が発生しました。当日,同事務所で最後まで一人で残業していた営業担当者が極めて不自然な行動をしている様子が防犯カメラに写っていました(実際に,金銭を取るような決定的な映像はありませんでした。)。その営業担当者から事情を聴きましたが,残業をした理由やそのようは不自然な行動をとった理由について,極めて曖昧な供述に終始しており,益々疑いが深まりました。そこで,当社は,所轄の警察署へ被害届を出すと共に,同従業員を懲戒解雇することを検討しています。このまま懲戒解雇を行って大丈夫でしょうか?

回答

金銭の着服等事案においては,懲戒解雇処分の重大な影響力に鑑み、刑事処分に準ずる程度の慎重な手続きと事実確認を要します。従って,この種事案で懲戒解雇が有効になるためには,現に着服(窃盗)行為や不法領得の意思の存在が証拠上明らかであるか又は相当程度の蓋然性が認められることを要し,さらに,従業員に十分な弁解の機会を与え,客観的証拠に基づき慎重に確認作業を行ってから解雇処分を決せなければなりません。ご相談の場合,そのような慎重なプロセスを経ずして懲戒解雇を強行しようとなされていますので,無効となる可能性が高いと言えます。

24時間無料法律相談受付 TEL:0120-3131-45
  • 金銭の着服等の事件については,刑事手続に準じた客観的証拠による裏付け及び本人に十分に弁解の機会を与えるなど慎重な調査を経なければならない。
  • 基本的には,刑事事件として被害届・告訴を行い捜査を進めてもらい,その進捗を見守りつつ処分を決するのがよい。

解説

1 金銭着服事案等の裁判例

金品の着服・横領などについての裁判例を見ると,タクシーやバスの運転手による料金の着服については,金額の多寡を問わずに,懲戒解雇が有効とされる傾向にあります(西鉄雜餉自動車営業所事件 昭和60年4月30日福岡地方裁判所判決等)。また,信用金庫の業務推進部に所属する調査役が顧客から集金した金員の一部(1万円)を着服した事案について懲戒解雇は有効とされました(前橋信用金庫事件平成元年3月16日東京高等裁判所)。これは,現に着服行為が存したか,不法領得の意思が明らかである場合に,当該従業員が金銭の取り扱いを業務内容としており,その業務を誠実に遂行することが会社の経営の基礎となっているため,金銭着服等に対しては極めて厳しい態度をとり解雇を有効としているものと解されます。

2 金銭着服等事案について,懲戒解雇が無効となった裁判例

(1)平成15年6月9日東京地方裁判所八王子支部判決(労働判例861号56頁)

電鉄会社バス事業営業所の事故担当者助役に対する現金の着服・横領を理由とする懲戒解雇につき,着服・横領を認めるに足りる合理的立証はないから,具体的な懲戒解雇事由なくしてなされたもので無効とされました。
特に,労働者である助役が,使途不明金を発生させ,これらについて説明や資料の提出が不十分であったとしても,直ちに不法に領得したものとは決めつけることは出来ない,と判示した点に留意すべきです。

(2)平成9年4月9日福岡高等裁判所判決(労働判例716号55頁)

ワンマンバス乗務員による運賃の手取行為が、横領の意図を伴わない単なる手続違反にすぎないとして、右行為を理由とする懲戒解雇を権利の濫用として無効と解する原判決が相当とされました。
特に,「同乗務員の各運賃手取行為は、いずれも会社の定めた運賃収受手順に違反するものであり、同乗務員に横領の意図があったのではないかとの疑いはあるものの、その都度同乗務員からの事情聴取を含む調査がなされていないため、手取りした金員が最終的に運賃箱に投入されなかったのかどうか等の詳細な事実関係が明らかでなく、同乗務員に横領の意図があったものと断定することは躊躇される。したがって、同乗務員が本件手取行為前に右のような手取行為に及んだ事実を考慮に入れた場合、本件手取行為が横領の意図でなされたのではないかとの疑念は残るものの、なお、横領意図の存在の証明は不十分であるといわざるを得ない」と判示した点に留意すべきです。

(3)平成6年7月12日大阪地方裁判所決定(労働判例669号70頁)

葬祭の進行業務を行う従業員に対してなされた御布施の着服、施主から直接現金を預かってはならないとの内規違反を理由とする懲戒解雇につき、解雇事由が証拠上明らかでないとしてその効力を否定した事件です。
まず,「解雇処分は従業員及びその家族の生活に対し重大な影響を及ぼすものであるから、右のような不正行為の存在を理由とする場合であっても、その目的が異なるのであるから刑事処分と同等とまではいわないまでも、その結果の重大性に鑑みるときは、それに準ずる程度の慎重な手続きと事実確認を要すると言うべきであろう。」と判示しました。そして,解雇理由となる不正行為の存在が、単なる疑い程度ではその理由とするには不十分であり、その存在が証拠上明らかであるか又は相当程度の蓋然性が認められることを要すると解すると判示しました。その上で, 本件解雇事由はいずれも顧客の記憶のみに基づくものであるが、顧客の記憶には「混乱が生じて」おり、「債権者が不正行為を行ったことは証拠上明らかと言えないのはもちろん、その存在につき相当程度の蓋然性を有するとまでも言えない」としました。さらに,従業員の疑惑が生じるや、直ちに従業員に事情聴取をし、従業員が右疑惑を否定しているにもかかわらず,供述の裏付けや他の物的資料による確認作業を行おうともしないまま、遂には懲戒解雇したという会社の態度は、事実調査としても十分なものといえないうえ、従業員に十分な弁解の機会すら与えない性急なものであり、一層相当性を欠く」と判示し,懲戒解雇の効力を否認しました。

3 小括

これら裁判例からすれば,金銭の着服等事案においては,懲戒解雇処分の重大な影響力に鑑み、刑事処分に準ずる程度の慎重な手続きと事実確認を要します。従って,この種事案で懲戒解雇が有効になるためには,現に着服(窃盗)行為や不法領得の意思の存在が証拠上明らかであるか又は相当程度の蓋然性が認められることを要し,さらに,従業員に十分な弁解の機会を与え,客観的証拠に基づき慎重に確認作業を行ってから解雇処分を決せなければならないといえます。このような慎重な手続を欠く場合は,懲戒解雇は無効となる可能性が高いと言えます。

対応方法

1 まずは弁護士に相談!

問題のある社員に辞めてもらうために貴社が採れる手段は,ケースバイケースですが,退職勧奨,普通解雇,懲戒処分などが挙げられます。もっとも,従業員にとっても生活の糧となる収入が途絶えることになりますので,安易な措置はトラブルを生み,かえって貴社に混乱とコストの負担をかけることにもなりかねません。
まずは,なるべく早くご相談下さい。相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いものです。
弁護士は,あなたのご事情を伺い,具体的対応策をあなたと一緒に検討し,最善の解決策をアドバイスします。
貴社のケースでは解雇は有効になるのか否か,具体的な対策として打つべき手は何か,証拠として押さえておくべきものは何か等をアドバイスします。

2 証拠の収集

法的措置に対応する場合はもちろん,交渉による解決を目指す場合も,証拠の確保が極めて重要になります。貴社にとって有利な証拠を出来るだけ確保して下さい。

3 労働者との交渉

まずは,法的措置に進む前に,労働者と交渉して,貴社の望む結果(問題社員の退職,解雇,低額の解決金の支払い等より有利な条件での退職等)が得られるようにします。 裁判に訴えられる前の交渉の時点で解決できれば,貴社にとっても次のようなメリットがあります。

①早期に解決できることにより,人的負担が回避できる。

法的手続に進んだ場合,労働者に関係する従業員(同僚・上司)はもちろん,経営者にも時間・労力・精神的負担を割くことを要求されます。この負担が日常業務に加わることで,かなりの負担感となります。交渉で解決することによりかかる人的負担が早期に回避できます。

②労働審判・訴訟等の法的手続に進んだ場合より解決金の水準が低い

一般に法的手続に進む場合に比べ,企業が支払う解決金の金額は低いものとなります。

4 裁判対応

労働者との間で交渉による解決が図れない場合は,労働者は自己の権利の実現を求めて裁判を起こす可能性が高いと言えます。具体的には,賃金仮払い仮処分手続,労働審判手続,訴訟手続などがありますが,労働者が事案に応じて手続を選択して,自己の請求の実現を目指すことになります。貴社としては,かかる労働者の法的請求に適切に対応する必要があります。

労働問題.comの対応

1 経験豊富な弁護士に相談

労働問題は適用される法律が難解で事実関係が極めて複雑であり,また,貴社が採るべき対応策はケースバイケースで決めざるを得ません。貴社独自で調査の上でのご対応が,時に誤った方法であることも多分にございます。
そこで,まず,労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士にご相談下さい。ご相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いのが実際ですので,トラブルが少しでも生じましたら出来るだけ早期にご相談されることをお勧めいたします。
労働問題.COMでは,常に労働問題を専門的に取り扱う経験豊富な弁護士が直接対応させていただいております(原則的に代表弁護士である吉村が対応させて頂きます。)。裁判のリスクを踏まえながら,法律上の問題点を指摘しつつも,抽象的な法律論に終始することなく,貴社が採るべき具体的な対応策を助言いたします。早期のご相談により紛争を未然に防止することが出来た事例が多数ございます。また、その後の交渉・裁判対応においても有利な対応を取ることが出来ます。

2 継続的なご相談・コンサルティング

労使間のトラブルは一時的なものではなく,長期化することがしばしばあります。ケースバイケースに採るべき対応策や確保すべき証拠も異なりますし,時々刻々と状況が変わっていき,その都度適切な対応をとることが必要です。この対応が間違っていた為に,その後の交渉や法的措置の段階で不利な状況に立たされることもままあります。
労働問題.COMでは,経験豊富な弁護士が,継続的なご相談を受けコンサルティングを行います。初期の段階より貴社にとって有利な対応をアドバイスしていきます。それにより,その後の交渉・法的措置にとって有利な証拠を確保でき,適切な対応をとることで,万全の準備が出来ます。また,継続的に相談が出来ることにより安心して他の日常業務に専念していただくことができます。

3 貴社を代理して労働者(弁護士,労働組合)と交渉いたします。

労働者の対応は様々ですが,貴社へ要求を認めさせるために,様々な働きかけをする事が多いのが実情です。労働者が弁護士や労働組合を介して,会社に対し各種の請求を行い,交渉を求めることはよくあることです。弁護士や労働組合はこの種事案の交渉のプロですので,貴社独自で臨むことで,あらぬ言質や証拠をとられ,本来了承する必要のない要求まで認めさせられることもしばしばです。貴社独自でのご対応は,一般的には困難であることが多いといえます。
そこで,労働問題.COMでは,労使間の交渉対応に精通した弁護士が,貴社に代わって交渉の対応を致します。具体的には,貴社担当者から詳細なヒアリングを実施し,証拠の収集等の準備を行った上で,弁護士が法的根拠に基づいた通知書を出し,適切に交渉することで,貴社にとって有利な結論を,裁判を経ずに勝ち取ることも可能となります。

4 裁判対応

労働者が労働審判,仮処分,訴訟などの裁判を起こしてくる場合が近時急増しています。かかる裁判への対応は法律で訴訟代理権を独占する弁護士のみが対応することができます。 但し,労働問題を適切に対応することができるのは労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士に他なりませんが,労働問題は極めて特殊専門領域であるため,経験実績がない又は乏しい弁護士が殆どである実情があります。
労働問題.COMでは,労働事件を専門分野とし,裁判対応の豊富な経験実績を有する弁護士が常時対応させていただいております。貴社に対し,最善の弁護活動をお約束いたします。

弁護士費用はこちら

参考裁判例

24時間無料法律相談受付 TEL:0120-3131-45

ご挨拶 / 弁護士紹介 / 安心の費用 / 地図・アクセス / 無料法律相談 / 法律相談の流れ / よくある質問 / 依頼者の声 / お問い合わせ