借金問題による懲戒処分事例【報道】

報道機関が公表する懲戒処分事例のうち”借金問題による懲戒処分事例”について情報を整理した。

懲戒処分を検討に際しては,公的機関や民間企業における具体的な実例に過ぎず,必ずしも裁判に耐えうる処分事例とは限らないことを考慮の上,参考にしてもらいたい。

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2019.1.17 同僚から多額の借金 1等陸尉を処分 陸自伊丹駐屯地

陸上自衛隊伊丹駐屯地(兵庫県伊丹市緑ケ丘7)は17日、同僚2人から計約1775万円を借りて返済できなかったとして、中部方面会計隊に所属する40代の男性1等陸尉を停職60日の懲戒処分にしたと発表した。1等陸尉は18日付で依願退職するという。
同駐屯地によると、1等陸尉は2012年4月ごろから15年2月ごろまで、「金銭に困った他の隊員を助ける」「投資の損失を補う」などの理由で、同じ隊に所属する2人から数回にわたって借金。その返済を投資で補おうとしてさらに損失を重ね、返済不能に陥ったという。14年1月ごろに内部告発があった。(神戸新聞)

(吉村コメント)借金があったこと自体を理由に懲戒処分がなされたのではなく、同僚に虚偽の理由を伝えて多額の借金をした上、返済できなくなったことが内部規定に違反したことを理由に懲戒処分がなされたと思われます。

2019.2.8 学生に借金、男性教授を諭旨解雇

仏教大(京都市)は8日、指導する通信教育課程の学生から数十万円を借り、返済期限を守らず威圧する内容のメールを送ったとして、仏教学部の60代の男性教授を諭旨解雇の懲戒処分にしたと発表した。処分は5日付。
大学によると、教授は2018年2月、私的な目的で学生に借金を申し込んだ。返済期限だった同4月下旬までに返さず、学生から催促されたが、中傷する内容を含んだ威圧的なメールを送信していた。
教授は事実関係を認め「精神的に苦痛を与えた」と話しているという。学生が18年5月、大学のハラスメント相談窓口に通報。その後、教授は全額を返済した。

2019.3.5 利害関係者から国交省職員借金 県内勤務、停職処分

国土交通省九州地方整備局(九地整)は5日、受注企業の社員らから借金したとして、佐賀県内の出先機関事務所に勤務する課長補佐級の男性職員(53)を停職3カ月の懲戒処分にした。職員は同日付で辞職した。便宜供与などについては「なかった」としている。
九地整によると、職員は2006年1月から18年11月にかけて約50回にわたり、受注企業を含む9社9人から878万7千円を借金した。国家公務員は利害関係者からの借金を禁じられている。貸した1人が18年7月に出先機関に相談し、発覚した。
借金は1人当たり3万~735万円で、手渡しや口座振込で受け取った。これまで472万円を返済しており、職員は「両親の治療費、生活費が不足していた」と話しているという。
職員は、昨年2月にも受注企業を含む4社7人から39万円を借金したとして減給6カ月の懲戒処分を受けていた。九地整は「さらなる借金を隠し、高額だった」と停職処分とした理由を説明した。

2022.3.1 開発局職員を停職6か月の懲戒処分に 工事関係者から223万円借りる

開発局は1日、監督対象の工事関係者から金銭貸与などを受けて国家公務員倫理規定に違反したとして、道内の開発建設部に所属する主任の男性職員(35)を同日付で停職6か月の懲戒処分にしたと発表した。職員は2日付で依願退職する。
開発局によると、男性職員は2020年5~8月、工事業者の従業員ら4人から計223万8千円を借りた。さらにこのうち1人からは同年1月に1万円分の商品券、別の1人からも19年2~3月に現金5千円をそれぞれ受領した。(北海道新聞)

2022.4.16 職務中にギャンブルし多額の借金 30代巡査長を戒告の懲戒処分

職務中にギャンブルを行い、不相応な借金をしたとして長崎県警は15日、離島地区の警察署に勤務する30代の男性巡査長を同日付で戒告の懲戒処分にしたと発表した。
県警によると、巡査長は昨年1月13日から10月25日までの期間、勤務先の留置施設などに禁止されている自身のスマートフォンを持ち込み、ボートレースの投票を数百回行っていた。
遊興費に充てるため、同年4月~11月25日、自身の収入に見合わない多額の借金をしていたことも、金融機関から県警本部への問い合わせで発覚した。
県警は「今回の事案を重く受け止め、職員の心情を把握し、指導を徹底、再犯防止に努める」とコメントした。巡査長は「警察官として自分自身にしっかりと向き合い、初心に立ち返り、職務に専念して仕事で挽回する」と反省しているという。退職はしていない。(長崎新聞)

2022.7.8 ギャンブルの借金返済でキャッシュカード譲り渡した疑い 巡査長を書類送検、停職の懲戒処分

広島県警は8日、ギャンブルによる借金の返済のため、自身のキャッシュカードを他人に譲り渡したとして、県内の警察署地域課の男性巡査長(24)を犯罪収益移転防止法違反の疑いで書類送検した。同日付で停職1か月の懲戒処分とし、巡査長は依願退職した。(中国新聞)

2022.9.10 入所者から借金 職員の看護助手2人を減給の懲戒処分

国立療養所沖縄愛楽園は9日、入所者から金を借りていたとして、50代女性の看護助手2人を減給の懲戒処分にしたと発表した。3人から計76万円を借りていた職員は減給10分の1(6か月)、1人から5万円を借りていた職員は減給10分の1(3か月)。いずれも昨年6月までに全額返金したという。
同園によると、入所者の相談で看護助手1人が入所者から金を借りていることが判明した。もう1人は借りていることを自己申告した。
2人とも「生活費に充てた」などと説明しているという。(琉球新報)

 

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