5分でわかる!採用内々定の取り消しの進め方【書式・ひな形あり】

社長
当社は飲食業を経営する中小企業です。令和3年4月頃、令和4年3月大学卒業予定者を対象に採用活動を行い、当時大学4年生のYに対し、令和3年5月30日頃に「採用内定のご連絡」と題する書面および入社承諾書の送付をしたところ、Yは同月31日付で入社承諾書に記名・押印して返送しました。正式な内定は令和3年10月に行うことになっています。しかし、その後、コロナ禍の影響で業績が著しく悪化してしまい、採用内々定を取り消したいと考えています。採用内々定取消しの進め方を教えてください。また、採用内々定取消しに伴うリスクも教えてください。
弁護士吉村雄二郎
採用内々定は正式な内定(労働契約の成立)とは異なり,正式な内定までの間,企業が新卒者をできるだけ確保しようとする事実上の活動に過ぎません。従って、内々定によって,労働契約が成立していませんので、内々定取消しは比較的広く認められます。ただし、内々定から相当期間経過し、正式内定の直前に内々定取り消しを行う場合は、Yの期待権を侵害したとして一定の損害賠償(慰謝料)の支払義務が生ずる可能性があります。内々定取消し通知書を送付するとともに、事情を説明して理解を得るように努めてください。また、リスクが高い場合は示談をすることも一案です。
①採用内々定の段階では、採用内定と異なり始期付解約権留保付労働契約が成立していない。
②ただ、「内定」「内々定」の表題で区別するのではなく、実質的に判断される。

③採用内々定が始期付解約権留保付労働契約ではないとしても、一定の場合期待権を侵害したとして損害賠償義務が発生する場合がある。

1 採用内々定とは

定義

採用内内定とは、採用実務において,正式採用内定日(10月1日)以前に,企業の採用担当者が求職者に対して採用が決まった旨を伝えることをいいます。

原則として事実上の行為にとどまり,一般には、この段階では労働契約は成立していないと解されています。

我が国の企業が新規大学卒業者を正社員として採用する場合,一般的には以下のようなプロセスを経るのが通常です。

採用プロセス
① 企業による労働者の募集 … 労働契約申込の誘因
② エントリーシート・履歴書提出 … 労働契約締結の申込
③ 採用試験・面接
採用内々定
採用内定通知(10月1日)… 労働契約締結の承諾(労働契約の成立
⑥ 入社承諾書や入社誓約書の提出
⑦ レポートの提出・研修
⑧ 正式入社(翌年4月1日)

企業が新規学卒者の採用をする場合,企業による募集,労働者による応募,企業が面接や採用試験を実施し,それによって採用を決定し,採用内定を通知し,それに対し労働者より誓約書,身元保証書などの必要書類を提出し,企業によっては健康診断を実施するなどの過程を経て,入社日に入社式や辞令交付をするというプロセスを経るのが通常です。

法的性質

このような採用プロセスを前提とする場合,①の募集が企業による労働契約申込の誘因,②のエントリーシート等の提出が学生による労働契約締結の申込,⑤の採用内定通知労働契約締結の承諾となり,この時点で学生と企業との間に労働契約が成立すると考えるのが一般的です。

採用内々定の段階では、採用が決まったことを伝えるに過ぎず、その後に採用内定通知や入社誓約書の取得等の手続が予定されていますので、労働契約は未だ成立していないと解されています。つまり、採用内々定は事実上の行為(つまり、単なる事務連絡のようなもの)に過ぎないと考えられているのです。

2 採用内々定の取消は自由にできるか

2.1 採用内々定の取消は自由にできる

では、採用内々定の取消は自由にできるのでしょうか?

採用内々定は、一般的には正式な内定通知書の数ヶ月前に行われるのが通常です。そのため、採用内々定から採用内定までの間に事情の変更が生じ、企業側が採用内々定の取消をする必要性が生ずる場合もあるので問題となります。

上述のとおり採用内々定の段階では未だ労働契約が成立していないことが一般です。労働契約が成立していない以上、契約の縛り・拘束力は生じておらず、解雇権濫用法理(労働契約法16条)の適用もありません

従って、採用内々定の取消は法律の制限なくすることが出来ます。

2.2 あまりに恣意的な内々定の取消をした場合は損害賠償義務を負う場合もある

もっとも、採用内々定を受けた休職者(学生)の立場からすると、採用内定をもらって入社できると期待していたのに、会社からいい加減に内々定の取消をされたのではたまったものではないでしょう。怒り心頭となることも想像に難くありません。

実際にも、あまりにも恣意的でいい加減な内々定の取消をした場合は、損害賠償義務を負う場合があります。

すなわち、使用者が内々定取消の理由を十分説明しないなど不誠実な対応に終始したことにつき,労働契約の締結過程における信義則に違反するとして不法行為の成立が認められ、損害賠償を命じられる場合があるのです。

参考判例

コーセーアールイー〔第2〕事件(福岡地判平22.6.2労判1008-5)

①  Xが大学4年に在籍していた平成20年5月に,被告Y社から採用の内々定通知を受け,入社承諾書を提出後同年9月に本件内々定取消しの通知を受けました。その点について、裁判所は、本件内々定は正式な内定(労働契約に関する確定的な意思の合致)とは明らかにその性質を異にするものであって,正式な内定までの間,企業が新卒者をできるだけ囲い込んで,他の企業に流れることを防ごうとする事実上の活動の域を出るものではないというべきであり,Xらもそのこと自体は十分に認識していたのであるから,本件内々定によって,X主張のような始期付解約権留保付労働契約が成立したとは認められないと判断しました。②  他方で、Xが,Y社から採用内定を得られること,ひいてはY社に就労できることについて,強い期待を抱いていたことはむしろ当然のことであり,特に,採用内定通知書交付の日程が定まり,そのわずか数日前に至った段階では,Y社とXとの間で労働契約が確実に締結されるであろうとのXの期待は,法的保護に十分に値する程度に高まっていたと判断しました。

③  その上で、Y社による本件内々定取消しは,労働契約締結過程における信義則に反し,Xの期待利益を侵害するものとして不法行為を構成するから,Y社は,XがY社への採用を信頼したために被った損害について賠償すべき責任を負うとして,慰謝料100万円,弁護士費用10万円が認めました
※ なお、控訴審で賠償額は合計55万円に減額されました(福岡高裁平23.3.10判決)。

ケン・コーポレーション事件(東京地判平成23・11・16労経速2131号27頁)

人事部長が面接において「入社日は平成22年8月23日に決定しよう」と発言したことを理由に、内々定があったとしたうえで、内々定取消しについて損害賠償が請求された事案で、裁判所は、採用内定に至っていないのであるから、その後、採用が見送られる可能性があることは当然であって、他に特段の事情がない限り、不採用としたこと自体は違法の評価を受けないとして、請求を棄却しました。
このケースでは、会社から内々定通知はされておらず、面接の際に入社を期待させるような発言があったにすぎず、またその面接の5日後には不採用が通知されていますので、上記コーセーアールイー(第2)事件判決とは異なり、労働契約締結への期待が、法的保護に値すべき程度にまで高まっていたとはいえないものと考えられます。

3 内々定通知を出した段階で労働契約が成立する場合もありえる!?

以上は、採用内定 = 労働契約の成立、採用内々定 = 労働契約は未だ成立していない、ということを前提に説明しました。

しかし、実際には、このような簡単に図式で割り切れる事例ばかりではありません。

「内々定」も、具体的な状況次第によっては、法的には労働契約の成立と評価できる場合もあり得るのです。

例えば、会社代表者名義で内々定通知を文書で行い、その後、企業が他社の内定辞退を強制したり,他社接触を禁止するなどして就職活動を阻害する行為を行った場合は,そこまでするのであるから会社側における労働契約締結の確定的意思表示があると認め、内々定に基づく労働契約の成立が肯定される場合もありえるのです(土田道夫「労働契約法[第2版]」218頁 有斐閣)。

労働契約成立の有無の判断要素
① 内々定通知の内容、通知者、形式
② 労働契約成立に向けた手続き(誓約書の提出、健康診断、内定式、入社式、重要な労働条件の決定等)の予定の有無
③ 学生が他社就職の機会を放棄したか、およびそのことを企業が知っていたか

4 採用内々定の進め方

内定取消しをするための流れ

では、内定取消しは以下のような流れで、準備し、実行します。

以下、この流れに沿って説明します。

① 内々定取消し事由の定め

内々定取消し事由を定める意味

内々定の段階では、労働契約が成立していない以上、契約の縛り・拘束力は生じておらず、解雇権濫用法理(労働契約法16条)の適用もありません。従って、採用内々定の取消は法律の制限なくすることが出来ます。

また、そもそも誓約書や採用内定通知書に内定取消事由を記載しなければならない法的義務はありません。

しかし、内々定者に対して、どのような事由が内々定取消事由になるのかを示すことによって、内々定取消事由に該当しないように意識させ、実際に該当する事態になった場合には、取消しに応じやすいというメリットがあります。それゆえ、採用内々定通知書や誓約書に内々定取消事由を具体的に記載すべきなのです。

② 内々定通知書の交付、内々定承諾書の取得

内々定通知書の発行義務はあるか?

前記のとおり採用内々定は労働契約の成立させる行為ではなく、単なる事実上の行為とされています。従って、仮に応募者から求められても、採用内々定通知書を発行する義務はありません

内々定通知書を作成する場合の注意点

もっとも、内々定通知を文書により伝えることも、会社が採用する意向があることを伝え、事実上の囲い込みを行う上では有益な場合もあります。

作成する場合は、以下の点にご注意下さい。

採用内定通知書と誤解されない記載にする

採用内々定通知として出したつもりが、その記載内容から内定通知を誤解される場合、予期せずに労働契約が成立してしまうことがあります。

そこで、応募者が採用が確定しているかのように誤解しないように、後に正式な内定が予定されていること、内定者には正式な採用内定通知書等を交付して具体的な労働条件を通知することなどを記載するべきでしょう。

作成名義は代表者名義としない

代表者名義ですと、正式な内定通知書であると誤解される可能性があるので、例えば、人事部長名義にする、人事部とだけ記載するなど配慮してください。

他社の内定辞退を強制したり,他社接触を禁止しない

企業が他社の内定辞退を強制したり,他社接触を禁止するなどして就職活動を阻害する行為を行った場合は,応募者に他社就職の機会を放棄させ、確定的に労働契約の締結を行ったと評価されるおそれがあります。そのような誤解を与える記載は避けるべきでしょう。

採用内々定通知書の雛形

○年○月○日

甲野 太郎 様

〒○○○-○○○
東京都○○区・・・・・・・・・・・
株式会社○○
人事部長○○ 印

採用内々定通知書

拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
この度、当社の求人募集にご応募頂きありがとうございました。
厳正な採用選考の結果、貴殿を採用が決定致しましたので、本内々定通知書をもってご連絡申し上げます。
つきましては、下記事項をご確認の上、ご対応をいただきますようお願い申し上げます。
1 内定式 : 令和4年10月1日 場所は追ってご連絡致します。
   内定者には正式な採用内定通知書をもって具体的な労働条件を通知致します。
2 入社式 : 令和5年 4月1日
3 同封の「採用内々定承諾書」に署名、捺印の上、令和4年6月14日までに当社人事部宛にご送付頂きますようお願い致します。
   宛先: 〒101-0021 東京都千代田区外神田・・・・・ ○▲商事株式会社 人事部採用係 宛て
4 内定式への出席ができない場合は、令和4年9月1日までに当社人事部採用係宛にご連絡をお願い致します。
敬具

採用内々定承諾書の雛形・書式

採用内々定承諾書

○△商事株式会社
人事部長 ○野△太郎 殿
 私は、貴社より採用内々定通知書を受領いたしました。貴社からの内々定通知を承諾するとともに、下記事項を確認又は遵守することを誓約致します。
1 内定式 は 令和4年10月1日を予定しており、内定者には正式な採用内定通知書をもって具体的な労働条件が通知されること
2 内定式への出席ができない場合は、令和4年9月1日までに貴社人事部採用係宛に連絡すること
3 承諾書を提出後は、正当な理由なく、入社を拒否しないこと
4 貴社へ申告した事項に虚偽は一切ないこと   
5 入社予定日までに卒業の見込みが失われた場合、健康上の問題で勤務を開始することが困難と認められる場合、その他、正式な内定通知を行うことのできない事情が生じた場合は採用内々定を取り消される可能性があること
令和4年6月10日
 住所:東京都江戸川区・・・
氏名:甲野 太郎 印   

③ 内々定取消し事由の発覚

上記のとおり、内々定の段階では労働契約が成立していない以上、契約の縛り・拘束力は生じておらず、解雇権濫用法理(労働契約法16条)の適用もありません

従って、採用内々定の取消は法律の制限や契約の制限なくすることが出来ます。

しかし、記載された「取消事由」があれば、全く法的責任を負わないけではありません。

あまりにも恣意的でいい加減な内々定の取消をした場合は、損害賠償義務を負う場合があります。すなわち、使用者が内々定取消の理由を十分説明しないなど不誠実な対応に終始したことにつき,労働契約の締結過程における信義則に違反するとして不法行為の成立が認められ、損害賠償を命じられる場合があるのです。

どのような場合に内々定取消しにより損害賠償義務を負うかについては、前記2.2の記事をご参照ください。

④ 内々定取消し通知書の交付

注意点

やむを得ず会社の事情(会社の業績悪化など)によって採用内々定の取消を行う場合は、以下の点に注意して下さい。

出来るだけ早期に通知する

採用内々定を得て、採用内定及び入社を信じていた応募者は、他社への就職活動も控えている場合もありえます。内々定を取り消すことを速やかに伝えることで、別の企業への就職活動の機会・時間を確保する必要があります。内定式の直前で内々定の取消しをした場合は損害賠償義務を負う可能性が高まります。

取り消しの理由・事情について説明・謝罪する

会社の事情(会社の業績悪化など)によって採用内々定の取消を行う場合は、その理由や事情を誠意をもって説明する必要があります。応募者にとっては、全く関係ない事情で内々定の取消しを受けるので、納得出来ない場合も多いとはありますが、説明を尽くさず、謝罪もしない場合はトラブルに発展する可能性が高まります。内々定の取消により感情的になった応募者がSNSで拡散し、風評被害を受ける可能性も高まります(SNSの内容が事実であれば名誉毀損に問うこともできません。)。

必要に応じて示談書を取り交わす

会社の都合で、内定式直前に内々定の取消を行う場合などは、トラブルに発展することがあります。前記のとおり損害賠償義務を負う可能性もあります。また、内々定の取消により感情的になった応募者がSNSで拡散し、風評被害を受ける可能性も高まります。そこで、特にトラブルの可能性が高い場合は、応募者と示談書を取り交わし、一定の解決金(5万円~20万円程度)を支払い、内々定の取消しについて他言しないこと、その他債権債務がないことなどを合意することも一案です。

採用内々定の取消し通知書の雛形・書式

○年○月○日

甲野 太郎 様

〒○○○-○○○
東京都○○区・・・・・・・・・・・
株式会社○○
人事部長○○ 印

採用内々定取消し通知書

拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 当社は令和4年5月31日付採用内々定通知書により貴殿の採用を決定した旨のご連絡を差し上げておりました。
 しかし、今般の新型コロナウイルスの感染拡大にともなう緊急事態宣言などの影響を受け、当社を取り巻く経営環境は著しく悪化し、貴殿を配属する予定であった店舗(渋谷区・・・・)の閉鎖を余儀なくされました。別の店舗への配属も検討いたしましたが、同様の理由で別の店舗も余剰人員が生じており人員削減が必定な状況となっており事実上不可能となっております。
 このような次第で貴殿の正式な内定を出すことが出来ない状況となりました。つきましては、本通知書をもって採用内々定を取り消させていただくことをご連絡申し上げます。
 採用内々定のご承諾頂いておきながら、当社の経営上の理由でこのような事態となり、誠に申し訳なく心よりお詫び申し上げます。
 また、お詫びにもならないことは承知の上でございますが、別紙要領による就職支援をさせて頂くとともに、些少ながら解決金のお支払いをさせて頂きたくご提案申し上げます。応じて頂ける場合は、同封致しました示談書に振込先をご記載いただき、署名・捺印の上、返信用封筒にてご返信いただきますようお願い申し上げます。
 本書面に関するお問い合わせにつきましては、当社人事部採用係(TEL03-●●●●-●●●● 平日月曜日~金曜日 9:30~17:00)までお願い申し上げます。
 今回の内々定の取消しにつきましては、重ねてお詫び申し上げます。引き続き誠意をもって対応をさせて頂きたいと存じます。何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
同封書類等
⑴ 再就職支援のご案内
⑵ 示談書(2部)
⑶ 返信用封筒

⑤ 和解・示談による解決

内々定消し事由が、大学を卒業する見込みがなくなったことである場合は、ほぼ確実に内々定取消しが問題になることはありませんので、前記④の内々定取消し通知書の送付による対応でリスクはありません。

これに対して、内々定取消し事由にリスクが残る場合、例えば、会社の見込みの甘さから業績悪化を理由に、内定直前に、内々定を取消す場合などです。

この場合、内々定取消しの有効性にリスクを残している状況となります。

このようにリスクが残る場合は、前記④の内々定取消し通知書を送付する前、又は、送付した直後に、内定者と面談して和解・示談により解決する方法も検討することも一案です。

内々定取消しにより損害賠償義務を負う可能性があり、また、内々定の取消により感情的になった内定者がSNSで拡散し、風評被害を受ける可能性も高まります。

そこで、リスク回避の観点から、内定者と示談書を取り交わし、一定の解決金を支払い、内定の取消しについて他言しないこと、その他債権債務がないことなどを合意することも一案です。

示談書(採用内々定取消し)のひな形

示 談 書

 ○○(以下、「甲」という。)と株式乙○○(以下、「乙」という。)は、乙が甲に対し令和○年○月○日付採用内々定通知書による採用内々定を取り消したこと(以下「本件内々定取消し」という。)について、以下のように示談が成立したので、以下のとおり合意する。

第1条 甲及び乙は、本件内々定取消しにより甲乙間の労働契約が成立しないことを確認する。

第2条 乙は、甲に対し、本件の示談金(本件による損害の賠償金、精神的損害に対する慰謝料、迷惑料の趣旨を含む)として、金10万円の支払い義務があることを認める。

第3条 乙は、甲に対し、前条の10万円を、甲が指定する下記口座へ振り込む方法により支払う。

金融機関      銀行     支店 普通預金口座
口座番号 
名  義 
ふりがな                      

第4条 甲と乙は、本件内々定取消しにつき、示談金額を含めた全ての事項について第三者に公表しない。

第5条 甲と乙は、甲と乙との間で、本示談書に定めるものの他、何らの債権債務のないことを相互に確認する。

本示談成立の証として、本書面2通を作成し、甲乙各1通ずつ保管する。

○年○月○日
甲 住所
氏名           印
乙 住所
○○株式会社
代表取締役○○      印

内定取消しについては労務専門の弁護士へご相談を

弁護士に事前に相談することの重要性

内定取消しについては、労働者の雇用契約上の地位を失わせるという性質上、労働者保護の観点から法律による厳しい規制がなされています。

判断を誤った場合や手続にミスがあった場合などは、事後的に社員(労働者)より地位確認・未払賃金請求等の訴訟を起こされるリスクがあります。会社に不備があった場合、復職や過去に遡って賃金の支払いや慰謝料の支払いを余儀なくされる場合があります。

また、内定取消しをきっかけに労働組合に加入をして団体交渉を求められる場合があります。

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しかし、実際には、教科書どおりに解決できる例は希であり、ケースバイケースで法的リスクを把握・判断・対応する必要があります。法的リスクの正確な見立ては専門的経験及び知識が必要であり、企業の自己判断には高いリスク(代償)がつきまといます。また、誤った懲戒処分を行った後では、弁護士に相談しても過去に遡って適正化できないことも多くあります。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、採用内々定の取り消しの進め方についてご紹介しました。

採用内々定の法律関係を適切にご理解いただき、添付書式を活用して頂ければ、トラブルを回避することができます。

記事をお気に入り頂きましたら、下記SNSボタンにより他の方にも共有して頂けますと幸いです。

 

 

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