行政通達

求人票による労働条件の明示に関する法律、規則、指針

【職業安定法】

第5条の3  (労働条件等の明示)

1 公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者及び募集受託者並びに労働者供給事業者は、それぞれ、職業紹介、労働者の募集又は労働者供給に当たり、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者に対し、その者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない
2  求人者は求人の申込みに当たり公共職業安定所、特定地方公共団体又は職業紹介事業者に対し、労働者供給を受けようとする者はあらかじめ労働者供給事業者に対し、それぞれ、求職者又は供給される労働者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない
3  求人者、労働者の募集を行う者及び労働者供給を受けようとする者(供給される労働者を雇用する場合に限る。)は、それぞれ、求人の申込みをした公共職業安定所、特定地方公共団体若しくは職業紹介事業者の紹介による求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者と労働契約を締結しようとする場合であつて、これらの者に対して第一項の規定により明示された従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件(以下この項において「従事すべき業務の内容等」という。)を変更する場合その他厚生労働省令で定める場合は、当該契約の相手方となろうとする者に対し、当該変更する従事すべき業務の内容等その他厚生労働省令で定める事項を明示しなければならない。
4  前三項の規定による明示は、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により行わなければならない。

(平一一法八五・追加、平一一法一六〇・平二八法四七・平二九法一四・一部改正)

第42条 (募集内容の的確な表示等)

1  新聞、雑誌その他の刊行物に掲載する広告、文書の掲出又は頒布その他厚生労働省令で定める方法により労働者の募集を行う者(募集受託者を含む。以下この項において同じ。)は、労働者の適切な職業選択に資するため、第五条の三第一項の規定により当該募集に係る従事すべき業務の内容等を明示するに当たつては、当該募集に応じようとする労働者に誤解を生じさせることのないように平易な表現を用いる等その的確な表示に努めなければならない。この場合において、当該労働者の募集を行う者が募集情報等提供事業を行う者をして労働者の募集に関する情報を労働者となろうとする者に提供させるときは、当該募集情報等提供事業を行う者に対し、必要な協力を求めるように努めなければならない。
2  募集情報等提供事業を行う者は、労働者の募集を行う者若しくは募集受託者又は労働者となろうとする者の依頼を受け提供する情報が的確に表示されたものとなるよう、当該依頼をした者に対し、必要な協力を行うように努めなければならない。

(昭六〇法八九・平一一法八五・平一一法一六〇・平二九法一四・一部改正)

【職業安定法施行規則】

第4条の2  (法第五条の三に関する事項)

1  法第五条の三第三項の厚生労働省令で定める場合は、次のとおりとする。
一 求人の申込みをした公共職業安定所、特定地方公共団体若しくは職業紹介事業者の紹介による求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者(以下この項において「紹介求職者等」という。)に対して法第五条の三第一項の規定により明示された従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件(以下「従事すべき業務の内容等」という。)の範囲内で従事すべき業務の内容等を特定する場合
二 紹介求職者等に対して法第五条の三第一項の規定により明示された従事すべき業務の内容等を削除する場合
三 従事すべき業務の内容等を追加する場合
2  法第五条の三第三項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 前項第一号の場合において特定する従事すべき業務の内容等
二 前項第二号の場合において削除する従事すべき業務の内容等
三 前項第三号の場合において追加する従事すべき業務の内容等
3  法第五条の三第四項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。ただし、第八号に掲げる事項にあつては、労働者を派遣労働者(労働者派遣法第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。以下同じ。)として雇用しようとする者に限るものとする。
一 労働者が従事すべき業務の内容に関する事項
二 労働契約の期間に関する事項
二の二 試みの使用期間に関する事項
三 就業の場所に関する事項
四 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項
五 賃金(臨時に支払われる賃金、賞与及び労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号)第八条各号に掲げる賃金を除く。)の額に関する事項
六 健康保険法(大正十一年法律第七十号)による健康保険、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)による厚生年金、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)による労働者災害補償保険及び雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による雇用保険の適用に関する事項
七 労働者を雇用しようとする者の氏名又は名称に関する事項
八 労働者を派遣労働者として雇用しようとする旨
4  法第五条の三第四項の厚生労働省令で定める方法は、前項各号に掲げる事項(以下この項及び次項において「明示事項」という。)が明らかとなる次のいずれかの方法とする。ただし、職業紹介の実施について緊急の必要があるためあらかじめこれらの方法によることができない場合において、明示事項をあらかじめこれらの方法以外の方法により明示したときは、この限りでない。
一 書面の交付の方法
二 電子情報処理組織(書面交付者(明示事項を前号の方法により明示する場合において、書面の交付を行うべき者をいう。以下この号において同じ。)の使用に係る電子計算機と、書面被交付者(明示事項を前号の方法により明示する場合において、書面の交付を受けるべき者をいう。以下この号及び次項において同じ。)の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法のうち、書面交付者の使用に係る電子計算機と書面被交付者の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、書面被交付者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法(書面被交付者がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものに限る。)によることを書面被交付者が希望した場合における当該方法
5  前項第二号の方法により行われた明示事項の明示は、書面被交付者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録されたときに当該書面被交付者に到達したものとみなす。
6  法第五条の三第一項から第三項までの規定による明示は、試みの使用期間中の従事すべき業務の内容等と当該期間が終了した後の従事すべき業務の内容等とが異なる場合には、それぞれの従事すべき業務の内容等を示すことにより行わなければならない。
7  求人者、労働者の募集を行う者及び労働者供給を受けようとする者は、求職者、募集に応じて労働者となろうとする者又は供給される労働者に対して法第五条の三第一項の規定により明示された従事すべき業務の内容等に関する記録を、当該明示に係る職業紹介、労働者の募集又は労働者供給が終了する日(当該明示に係る職業紹介、労働者の募集又は労働者供給が終了する日以降に当該明示に係る労働契約を締結しようとする者にあつては、当該明示に係る労働契約を締結する日)までの間保存しなければならない。
8  求人者は、公共職業安定所から求職者の紹介を受けたときは、当該公共職業安定所に、その者を採用したかどうかを及び採用しないときはその理由を、速やかに、通知するものとする。

(平一一労令四五・追加、平一二労令四一・平一三厚労令六一・平二九厚労令六六・一部改正)

【職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示、労働者の募集を行う者等の責務、労働者供給事業者の責務等に関して適切に対処するための指針

第三 法第五条の三及び法第四十二条に関する事項(労働条件等の明示及び募集内容の的確な表示)

一 職業紹介事業者等による労働条件等の明示

(一) 職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者及び労働者供給事業者は、法第五条の三第一項の規定に基づき、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者(以下「求職者等」という。)に対し、従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件(以下「従事すべき業務の内容等」という。)を可能な限り速やかに明示しなければならないこと。
(二) 求人者は求人の申込みに当たり公共職業安定所、特定地方公共団体又は職業紹介事業者に対し、労働者供給を受けようとする者はあらかじめ労働者供給事業者に対し、それぞれ、法第五条の三第二項の規定に基づき、従事すべき業務の内容等を明示しなければならないこと。
(三) 職業紹介事業者等は、(一)又は(二)により従事すべき業務の内容等を明示するに当たっては、次に掲げるところによらなければならないこと。
イ 明示する従事すべき業務の内容等は、虚偽又は誇大な内容としないこと。
ロ 労働時間に関しては、始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働、休憩時間、休日等について明示すること。また、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十八条の三第一項の規定により同項第二号に掲げる時間労働したものとみなす場合又は同法第三十八条の四第一項の規定により同項第三号に掲げる時間労働したものとみなす場合は、その旨を明示すること。
ハ 賃金に関しては、賃金形態(月給、日給、時給等の区分)、基本給、定額的に支払われる手当、通勤手当、昇給に関する事項等について明示すること。また、一定時間分の時間外労働、休日労働及び深夜労働に対する割増賃金を定額で支払うこととする労働契約を締結する仕組みを採用する場合は、名称のいかんにかかわらず、一定時間分の時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金(以下このハにおいて「固定残業代」という。)に係る計算方法(固定残業代の算定の基礎として設定する労働時間数(以下このハにおいて「固定残業時間」という。)及び金額を明らかにするものに限る。)、固定残業代を除外した基本給の額、固定残業時間を超える時間外労働、休日労働及び深夜労働分についての割増賃金を追加で支払うこと等を明示すること。
ニ 期間の定めのある労働契約を締結しようとする場合は、当該契約が試みの使用期間の性質を有するものであっても、当該試みの使用期間の終了後の従事すべき業務の内容等ではなく、当該試みの使用期間に係る従事すべき業務の内容等を明示すること。
(四) 職業紹介事業者等は、(一)又は(二)により従事すべき業務の内容等を明示するに当たっては、次に掲げるところによるべきであること。
イ 原則として、求職者等と最初に接触する時点までに従事すべき業務の内容等を明示すること。なお、(三)ロ後段及び(三)ハ後段に係る内容の明示については、特に留意すること。
ロ 従事すべき業務の内容等の事項の一部をやむを得ず別途明示することとするときは、その旨を併せて明示すること
(五) 職業紹介事業者等は、(一)又は(二)により従事すべき業務の内容等を明示するに当たっては、次に掲げる事項に配慮すること。
イ 求職者等に具体的に理解されるものとなるよう、従事すべき業務の内容等の水準、範囲等を可能な限り限定すること
ロ 求職者等が従事すべき業務の内容に関しては、職場環境を含め、可能な限り具体的かつ詳細に明示すること
ハ 明示する従事すべき業務の内容等が労働契約締結時の従事すべき業務の内容等と異なることとなる可能性がある場合は、その旨を併せて明示するとともに、従事すべき業務の内容等が既に明示した内容と異なることとなった場合には、当該明示を受けた求職者等に速やかに知らせること

二 募集情報等提供事業を行う者による募集情報の提供

(一) 募集情報等提供事業を行う者は、労働者の募集を行う者又は募集受託者の依頼を受け提供する情報(以下「募集情報」という。)が次のいずれかに該当すると認めるときは、当該募集情報を変更するよう労働者の募集を行う者又は募集受託者に依頼するとともに、労働者の募集を行う者又は募集受託者が当該依頼に応じない場合は当該募集情報を提供しないこととする等、適切に対応すること。
イ 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的の募集情報
ロ その内容が法令に違反する募集情報
ハ 実際の従事すべき業務の内容等と相違する内容を含む募集情報
(二) 募集情報等提供事業を行う者は、募集情報が(一)のイからハまでのいずれかに該当するおそれがあると認めるときは、労働者の募集を行う者又は募集受託者に対し、当該募集情報が(一)のイからハまでのいずれかに該当するかどうか確認すること。
(三) 募集情報等提供事業を行う者は、労働者の募集を行う者又は募集受託者の承諾を得ることなく募集情報を改変して提供してはならないこと。

三 求人者等による労働条件等の変更等に係る明示

(一) 求人者、労働者の募集を行う者及び労働者供給を受けようとする者(以下「求人者等」という。)は、法第五条の三第三項の規定に基づき、それぞれ、紹介された求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者((三)において「紹介求職者等」という。)と労働契約を締結しようとする場合であって、これらの者に対して同条第一項の規定により明示された従事すべき業務の内容等(以下この三において「第一項明示」という。)を変更し、特定し、削除し、又は第一項明示に含まれない従事すべき業務の内容等を追加する場合は、当該契約の相手方となろうとする者に対し、当該変更し、特定し、削除し、又は追加する従事すべき業務の内容等((三)において「変更内容等」という。)を明示しなければならないこと
(二) 法第五条の三第一項の規定に基づく明示について、一(四)ロにより、従事すべき業務の内容等の事項の一部(以下この(二)において「当初明示事項」という。)が明示され、別途、当初明示事項以外の従事すべき業務の内容等の事項が明示された場合は、当初明示事項を第一項明示として取り扱うこと。
(三) 求人者等は、(一)の明示を行うに当たっては、紹介求職者等が変更内容等を十分に理解することができるよう、適切な明示方法をとらなければならないこと。その際、次のイの方法によることが望ましいものであるが、次のロなどの方法によることも可能であること。
イ 第一項明示と変更内容等とを対照することができる書面を交付すること。
ロ 労働基準法第十五条第一項の規定に基づき交付される書面において、変更内容等に下線を引き、若しくは着色し、又は変更内容等を注記すること。なお、第一項明示の一部の事項を削除する場合にあっては、削除される前の当該従事すべき業務の内容等も併せて記載すること。
(四) 求人者等は、締結しようとする労働契約に係る従事すべき業務の内容等の調整が終了した後、当該労働契約を締結するかどうか紹介求職者等が考える時間が確保されるよう、可能な限り速やかに(一)の明示を行うこと。また、(一)の明示を受けた紹介求職者等から、第一項明示を変更し、特定し、削除し、又は第一項明示に含まれない従事すべき業務の内容等を追加する理由等について質問された場合には、適切に説明すること。
(五) 第一項明示は、そのまま労働契約の内容となることが期待されているものであること。また、第一項明示を安易に変更し、削除し、又は第一項明示に含まれない従事すべき業務の内容等を追加してはならないこと。
(六) 学校卒業見込者等(青少年の雇用の促進等に関する法律(昭和四十五年法律第九十八号)第十一条に規定する学校卒業見込者等をいう。以下この(六)において同じ。)については、特に配慮が必要であることから、第一項明示を変更し、削除し、又は第一項明示に含まれない従事すべき業務の内容等を追加すること(一(四)ロにより、従事すべき業務の内容等の一部をやむを得ず別途明示することとした場合において、当該別途明示することとされた事項を追加することを除く。)は不適切であること。また、原則として、学校卒業見込者等を労働させ、賃金を支払う旨を約し、又は通知するまでに、法第五条の三第一項及び(一)の明示が書面により行われるべきであること
(七) 法第五条の三第一項の規定に基づく明示が法の規定に抵触するものであった場合、(一)の明示を行ったとしても、同項の規定に基づく明示が適切であったとみなされるものではないこと。
(八) 求人者等は、第一項明示を変更し、削除し、又は第一項明示に含まれない従事すべき業務の内容等を追加した場合は、求人票等の内容を検証し、修正等を行うべきであること

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